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梨木香歩「からくりからくさから」の抜粋
好きなところたくさんあって、書き出しきれないけど。
植物染色について(蓉子)・・・
「隠れている何かの素性を白状させるような気がして、
後ろめたいような興奮を感じる。」
登美子ちゃんの姑、初枝の言葉・・・
「何百年とはいかなくても、ずっと続いてきたものが変わるときというのは、
犠牲になるもんが要るんです。たまたまそのときは私だったわけで・・・。」
能面の展示を見た蓉子・・・
「これは人が耐えきれる限界以上の悲哀を背負い込んでしまった人間の、だから人であることをどうしても続けられなくなっていった凄惨なドラマの過程だ。」
紀久の言葉・・・
「幼虫の姿ではもう生きていけない。追い詰められて、切羽詰まって、もう後には変容することしか残されていない。」
「ほら、このパターンはここから明らかに変化している。・・・ねえ、大事なのはこのパターンが変わるときだわ。どんなに複雑なパターンでも連続している間は楽なのよ。なぞればいいんだから。変わる前も、変わったあとも、続いている間は、楽。本当に苦しいのは、変わる瞬間。根っこごと掘り起こすような作業をしないといけない。かといってその根っこを捨ててしまうわけにはいかない。根無し草になってしまう。前からの流れの中で、変わらないといけないから」
「私はいつか、人は何かを探すために生きるんだといいましたね。でも、本当はそうじゃなかった。人はきっと、日常を生き抜くために生まれるのです。そしてそのことを伝えるために。」
自分の与かり知らぬ遠い昔から絡みついてくる蔓のようなものへの嫌悪といとおしさ。蔓は個の限界を超えようと永遠を希求する生命のエネルギーだ。
呪いであると同時に祈り。憎悪と同じぐらい深い慈愛。怨念と祝福。同じ深さの思い。媒染次第で変わっていく色。経糸。緯糸。リバーシブルの布。
一枚の布。
一つの世界。
私たちの世界。
以上、本からの抜粋です。
一番好きなのは、りかさんがこっそりテーブルの上に飾った野の花の唐草模様。
カラスノエンドウの蔓とハルジョオンの花と露草の葉とヘビイチゴの実。
どんなにか美しいだろう・・・。
あー、実物を見てみたい!!
【2008/03/20 20:35】 梨木香歩 |
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